「健康経営優良法人」の認定取得をフックに、メンタルヘルス対策と休職規程を見直すコンサル戦略

「健康経営優良法人」の認定取得をフックに、メンタルヘルス対策と休職規程を見直すコンサル戦略

【この記事でわかること】
・認定取得の「申請代行」だけで終わらせず、高単価な労務コンサルへ繋げる方法
・「ホワイト企業認定」を取りたがる経営者にこそ刺さる、メンタル不調リスクの現実
・トラブル続出の「休職・復職」をスムーズにする、最強の規程見直しポイント

「採用のために『健康経営優良法人』の認定を取りたいんだけど、先生手伝ってくれる?」
近年、このような相談を受ける機会が急増しています。経済産業省が推進するこの制度は、中小企業にとって「ホワイト企業の証明書」として、採用活動における強力なブランディングツールになっているからです。

多くの社労士先生は、これを「申請代行業務(数万円〜十数万円)」として受託していますが、それでは非常にもったいないと言わざるを得ません。
なぜなら、健康経営を目指す企業の裏側には、必ずと言っていいほど「メンタルヘルス不調者の増加」や「休職トラブルの予備軍」が潜んでいるからです。

「認定取得」はあくまで入り口(フック)です。
本丸は、認定プロセスであぶり出された課題を解決するための「メンタルヘルス対策」と「休職規程の抜本的見直し」にあります。
本記事では、流行りの認定制度をテコにして、企業の防衛力を高める高付加価値コンサルティングの展開手法を解説します。

1. なぜ「健康経営」が最強のドアノックツールなのか

中小企業の経営者にとって、「就業規則を変えましょう」という提案は「コストがかかる」「面倒くさい」と思われがちです。しかし、「健康経営優良法人の認定を取りましょう」という提案は歓迎されます。

理由はシンプルで、「採用に直結するから」です。
求職者が企業を選ぶ際、「ブラック企業ではないか」を最も警戒します。国が認めた認定マークは、その不安を払拭する最強のアイコンなのです。

【社労士の営業トーク例】

「社長、求人票に『健康経営優良法人』のロゴがあるだけで、応募者の質が変わりますよ。
認定を取るためのアンケート回答や規程整備は、私がサポートしますので一緒にやりませんか?」

このように、まずは「攻め(採用強化)」の文脈で経営者の心の扉を開きます。

2. 認定の過程で見つかる「メンタル不調」という地雷

認定申請のプロセスには、必ず「ストレスチェックの実施」や「健康診断の受診勧奨」といった項目が含まれています。これらを実施すると、パンドラの箱が開きます。

「高ストレス者が予想以上に多い」
「再検査が必要なのに放置している社員がいる」
「実はうつ病で通院しながら働いている社員がいることが発覚した」

ここで初めて、社労士は「守り(リスク対策)」の提案に切り替えます。

「形だけの認定」は危険であることを伝える

「社長、認定を取ってホワイト企業をアピールしても、もし社員がメンタル不調で倒れて『過労だ』と訴えられたら、逆に大炎上しますよ。
認定に見合うだけの『安全配慮義務』を果たせる体制を作りましょう」

このロジックで、単なる申請代行から、実質的なメンタルヘルス対策コンサルティングへと誘導します。

3. 復職トラブルを防ぐ「休職規程」のリノベーション術

メンタルヘルス対策の核心は、実はカウンセリングではなく「休職・復職ルールの整備」にあります。
古い就業規則のままでは、現代のメンタル不調トラブルに対応できません。以下の3つの「穴」を塞ぐ提案を行います。

① 「治癒」の定義を明確化する

多くの規程では「治癒したら復職」としか書かれていません。
これでは、主治医が「日常生活は可能です(働けるとは言っていない)」という診断書を出しただけで復職させざるを得なくなります。
「治癒とは、従前の業務を通常通り遂行できる状態まで回復すること」と定義し、会社の指定医によるセカンドオピニオン受診義務を盛り込みます。

② リハビリ出勤(試し出勤)の制度化

いきなりフルタイム復帰させて再発するケースが後を絶ちません。
「リワークプログラム」や「短時間勤務」の期間を設け、その間の賃金や処遇(あくまで治療の一環であり労働ではない等)を明確に定めます。

③ 休職期間の通算規定

復職して1ヶ月でまた休職…を繰り返されると、会社は解雇もできず、いつまでも社会保険料を負担し続けることになります。
「復職後◯ヶ月以内の再発は、前の休職期間と通算する(=期間満了で自然退職)」という規定を整備し、出口戦略を用意します。

4. 「認定代行」から「メンタル顧問」へ契約を進化させる

健康経営優良法人の認定は1年更新です。つまり、一度関与すれば、毎年継続的な接点が持てます。
これを活かし、以下のような継続支援(ストックビジネス)を提案します。

📋 定期的なパルスサーベイ

年に1回のストレスチェックだけでなく、毎月の簡易アンケート(パルスサーベイ)を実施し、組織の健康状態をモニタリングする。「JINJIPACK」などのツールを使えば自動化可能です。

🏥 産業保健スタッフ的機能

産業医を選任するほどではない規模(50名未満)の企業に対し、社労士が「外部の保健室」として、休職者との面談同席や復職プログラムの策定支援を行います。

認定取得という「晴れの日」のイベントと、メンタル対策という「雨の日」の備え。
この両輪をサポートすることで、社労士は替えの効かない存在になります。

「リスクに強い休職規程」のひな形を入手する

メンタル不調の再発や復職トラブルを想定した「最新版・休職規程モデル条文」や、
健康経営優良法人の認定取得に向けた「チェックリスト」を無料で提供しています。

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5. よくある質問(FAQ)

健康経営とメンタルヘルス対策について、よくある質問をまとめました。

Q. 50人未満の会社でも健康経営優良法人は取れますか?

はい、可能です。中小規模法人部門には従業員数の下限はありません。むしろ、小規模だからこそ「健康経営」をアピールして人材確保につなげたいというニーズが強く、50人未満の取得事例も増えています。社労士のサポートがあれば取得難易度は高くありません。

Q. ストレスチェックは50人未満でもやるべきですか?

義務ではありませんが、健康経営優良法人の認定要件には含まれており、加点対象になります。また、潜在的なリスク(高ストレス者)を早期発見し、離職を防ぐためにも実施を推奨します。助成金を活用して実施する方法もあります。

Q. 休職中の社会保険料はどうすればいいですか?

休職中も免除されず、会社負担分・本人負担分ともに発生します。本人からの徴収方法(毎月振込か、立替えて復職後精算か)を事前に取り決めておかないと、金銭トラブルになります。こうした「休職中の取り決め書」の作成も、社労士の重要な支援業務です。

「健康経営」は、一見キラキラした言葉ですが、その実態は泥臭いリスク管理です。
認定取得をきっかけに、会社と社員を守るための盤石な規程整備を提案しましょう。

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