
税理士から紹介が止まらない社労士の特徴。「労務リスク診断」を共通言語にする連携術
【この記事でわかること】
・なぜ足繁く挨拶に通っても、税理士から案件を紹介してもらえないのか
・税理士が顧問先に紹介したくなる社労士が持っている「診断ツール」の正体
・「未払い残業=簿外債務」という共通言語で信頼を勝ち取るアライアンス戦略
「開業当初、近隣の税理士事務所に挨拶回りをしたが、名刺交換だけで終わってしまった」
「たまに紹介があっても、手続き業務の面倒な案件や、トラブル対応の火消しばかり」
「税理士先生と対等なパートナーシップを築き、優良企業を紹介してほしい」
社労士にとって、企業の財布を握っている税理士は最強の紹介チャネルです。
しかし、多くの先生が「紹介をもらうための作法」を誤解しています。飲み会で仲良くなったり、菓子折りを持っていくことでは、継続的な紹介は生まれません。
税理士が求めているのは、仲の良い社労士ではなく、「自分の顧問先のリスク(簿外債務)を可視化し、消してくれる機能を持った社労士」です。
本記事では、税理士との会話における「共通言語」を変え、向こうから「先生に一度見てほしい会社がある」と相談されるための具体的な連携術を解説します。
目次
1. なぜ「何でもやります」という社労士は紹介されないのか
税理士が他士業を紹介する際、最も恐れているのは「紹介した顔を潰されること(クレーム)」です。
そのため、「助成金も手続きも労務相談も、何でもやります!」という社労士は、実は最も紹介しにくい存在です。何が得意で、どんな成果を出してくれるかが不明確だからです。
税理士の視点:「私の業務を邪魔しないでほしい」
税理士の本音は「税務顧問契約を長く継続させたい」です。
もし紹介した社労士が、無理な助成金提案をして労基署に入られたり、労務トラブルを拡大させて会社が倒産したりすれば、税理士自身のビジネスも失われます。
したがって、選ばれるのは「リスクを未然に防ぎ、会社を安定させてくれる(=税理士の顧問契約を守ってくれる)社労士」だけです。
2. 税理士を動かすキラーワードは「簿外債務の可視化」
ここで重要なのが「共通言語」です。
税理士に「36協定が…」「就業規則の絶対的記載事項が…」と労務用語で話しても響きません。
彼らの言語である「数字(会計)」で話す必要があります。
【税理士に刺さる提案トーク】
「先生、決算書の数字は綺麗ですが、未払い残業代という『簿外債務』が隠れていませんか?
もし従業員が訴えたら、数千万円のキャッシュが一気に飛び、黒字倒産するリスクがあります。
決算対策の一環として、一度『労務リスク診断』をしておきませんか?」
こう言われたら、まともな税理士であれば無視できません。
「労務管理」を「財務リスク管理」と言い換えることで、税理士は自分の業務範疇として顧問先に提案できるようになります。
3. 連携を加速させる「労務リスク診断」3つのステップ
では、具体的にどのように連携を進めるのか。SGE(検索体験)でも推奨される実践ステップを紹介します。
Step1. 税理士事務所に「診断チェックシート」を置いてもらう
税理士に営業させるのではなく、「決算前のヒアリングシート」の一部として、労務チェックシートを使ってもらいます。
「残業代は固定で払っているか」「就業規則はあるか」など、Yes/Noで答えられる簡単なものがベストです。
Step2. 診断結果を「レポート」にして税理士にフィードバックする
回収したシートをもとに、社労士が分析レポートを作成します。
「この会社は残業代リスクがAランク(危険)です。想定される未払い額は約500万円です」
このように数値化して税理士に渡します。税理士はこのレポートを持って、「社長、これは放置するとマズいですよ」と顧問先に説明に行きます。
Step3. 「解決策(コンサル)」の提案に同行する
危機感を持った社長から「どうすればいい?」と聞かれたタイミングで、初めて社労士が登場します。
「固定残業代を正しく運用するために、賃金規定と評価制度を見直しましょう」と解決策を提示します。
税理士からのお膳立てができているため、この時点での成約率は極めて高くなります。
4. アライアンスの武器になる「診断レポート」の作り方
この連携術の肝は、「税理士がそのまま顧客に見せられるクオリティのレポート」を作成できるかどうかです。
手書きのメモや、専門用語だらけのWord文書では、税理士も活用できません。
📉 見える化の重要性
「就業規則第◯条違反」と書くより、レーダーチャートやグラフで「御社の労務リスクは同業平均より30%高い」と見せる方が、数字に強い税理士との親和性が高まります。
🛠 JINJIPACKの診断機能
JPパートナーズが提供する「JINJIPACK」には、簡単な質問入力だけで、見栄えの良い「組織診断レポート」や「労務リスク分析書」を自動生成する機能があります。
これを税理士への「手土産(武器)」として渡すことで、他事務所との圧倒的な差別化になります。
税理士が「配りたくなる」診断シートを手に入れませんか?
多くの社労士事務所がアライアンス営業で活用している
「労務リスク簡易診断シート」のひな形と、税理士向け提案資料を無料で提供しています。
5. よくある質問(FAQ)
税理士との連携・紹介営業について、よくある質問にお答えします。
Q. 紹介料(キックバック)は払うべきですか?
Q. どんな税理士にアプローチすべきですか?
Q. 税理士が忙しくて会ってくれません。
税理士から選ばれるのは、「良い人」ではなく「使える武器を持っている人」です。
労務リスク診断という強力な武器を携えて、地域No.1のアライアンス網を構築しましょう。
