問題社員にどう対応する?法的リスクを抑えつつ「評価制度」で行動変容を促すテクニック

問題社員を解雇せず行動変容へ導く!社労士が提案すべき評価制度活用術

問題社員にどう対応する?法的リスクを抑えつつ「評価制度」で行動変容を促すテクニック

【この記事でわかること】
・「あいつを辞めさせたい」という相談に対し、社労士が提示すべき現実的なロードマップ
・感情論ではなく「事実」で指導するための、人事評価制度の活用法
・解雇リスクを回避し、自主退職または行動改善(更生)へ導く面談テクニック

「何度言っても遅刻が直らない」
「協調性がなく、周りの社員のモチベーションを下げている」
「能力不足なのにプライドだけ高く、上司の指示に従わない」

顧問先の経営者から、このような「問題社員(ローパフォーマー)」に関する相談を受けることは日常茶飯事でしょう。
そして、多くの経営者は感情的になり、「もう我慢の限界だ。解雇したいから手続きをしてくれ」と言ってきます。

しかし、社労士である先生方はご存知の通り、日本の労働法において「能力不足」や「態度の悪さ」だけで即解雇することは極めて困難です。
安易に解雇に踏み切れば、不当解雇で訴えられ、数百万〜一千万円単位の和解金(バックペイ)を支払うリスクがあります。

では、社労士はどうアドバイスすべきか。
正解は、「人事評価制度を使って『指導の記録』を残し、外堀を埋めながら行動変容を促す」ことです。
本記事では、評価制度を単なる査定ツールではなく、最強の「労務リスク管理ツール」として活用するテクニックを解説します。

1. 「解雇したい」と言われたら?社労士が示すべき3つの選択肢

まず、ヒートアップしている経営者を冷静にさせる必要があります。
解雇がいかにハードルが高いか(解雇権濫用の法理)を説明した上で、現実的な3つの選択肢を提示します。

選択肢①:リスク覚悟の即時解雇(非推奨)

訴訟リスクがあることを承知の上で解雇通知を出す方法です。勝てる見込みが薄い場合、社労士としては「止める」のが正解です。

選択肢②:退職勧奨(合意退職)

金銭解決(パッケージ)などを提示し、話し合いで辞めてもらう方法です。最も平和的ですが、本人が「辞めません」と言えばそれまでです。

選択肢③:評価制度による改善指導(推奨)

これこそが、社労士が提案すべき本質的な解決策です。
「あなたの行動は評価基準を満たしていない」と明確に伝え、改善の機会を与えます。
これにより、本人が危機感を持って「行動を改める(戦力化)」か、居心地が悪くなり「自ら身を引く(自主退職)」かのどちらかに進みます。いずれにせよ、会社にとってプラスの結果になります。

2. 評価制度は「成績をつけるもの」ではなく「約束させるもの」

問題社員への対応で評価制度を使う際、重要なのは「点数をつけること」ではありません。
「会社が求めている行動基準(ルール)」を明文化し、本人に同意させることです。

多くの問題社員は、「自分は仕事ができている」と勘違いしています。なぜなら、会社側が「何をもって『できている』とするか」の基準を示していないからです。

【評価項目の改善例】

  • × 曖昧な基準:協調性を大切にする
    → 社員:「俺は飲み会にも行ってるし協調性はある」と言い張る
  • ○ 明確な基準(JINJIPACK):上司への報告・連絡・相談を自発的に行い、独断で判断しない
    → 会社:「あなたは先週、無断で〇〇をしましたね。この項目は1点です」と事実で指摘できる

3. 問題行動を改善させる(または諦めさせる)評価プロセス

SGE(検索体験)でも有効な、具体的な是正プロセスは以下の3ステップです。

Step1. 評価項目による「期待値のすり合わせ」

まず、評価シートを使って「あなたの今の等級には、こういう行動が求められています」と説明します。特に「情意評価(規律性・責任感)」の項目を細かく設定し、当たり前のことができていない現状を認識させます。

Step2. 定期面談による「フィードバック」

半年に一度ではなく、月1回などの頻度で面談を行います。
「また遅刻しましたね」「また報告漏れがありましたね」と、事実ベースでフィードバックし続けます。
この際、パワハラにならないよう、あくまで「評価基準に基づいた指導」に徹することが重要です。

Step3. 改善なき場合の「降給・降格」

指導しても改善されない場合、評価結果に基づいて厳格に給与を下げます(降給)。
「仕事をしていないのに給料が高い」状態が、問題社員を居座らせる最大の原因です。
評価制度という正当な手続きを経て、適正な賃金まで下げることで、本人は「ここにいても得はない(割に合わない)」と感じ始めます。これが、リスクを抑えた実質的な退職勧奨効果を生みます。

4. 「言った言わない」を防ぐためのツール活用術

問題社員対応で最も重要なのは「証拠(エビデンス)」です。
万が一、労基署に駆け込まれたり、ユニオン(合同労組)が入ってきたりした際、会社を守ってくれるのは「いつ、誰が、どんな指導をして、本人がどう答えたか」という記録だけです。

📝 紙やExcel管理の限界

面談記録が散逸したり、過去の評価履歴がすぐに出せなかったりすると、法的紛争になった際に不利になります。「言った言わない」の水掛け論になれば、会社側が負けます。

☁️ クラウド(JINJIPACK)の強み

評価結果、面談でのコメント履歴、目標設定の内容が全てクラウド上に時系列で保存されます。「3年前から一貫して能力不足を指摘し、指導してきた」という強力な客観的証拠が自動的に蓄積されます。

社労士として、「JINJIPACKを使って面談記録を残すことが、会社を守る保険になります」と提案しましょう。

問題社員対応に効く「評価シート」とは?

規律性や責任感を具体的に問う「情意評価項目」のサンプルや、
法的リスクを回避するための「指導記録(面談シート)」のひな形を無料で提供しています。

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5. よくある質問(FAQ)

問題社員への評価制度運用について、よくある質問をまとめました。

Q. 厳しい評価をつけてパワハラと言われませんか?

評価基準に基づいた適正な評価であれば、パワハラにはなりません。重要なのは「人格攻撃」をしないことです。「君はダメだ」ではなく、「君のこの行動は、評価基準のCランクに該当する」と、客観的な事実のみを伝えるよう、管理職への指導もセットで行いましょう。

Q. 評価制度を変えてすぐに給料を下げてもいいですか?

制度導入直後の急激な減給は「不利益変更」とみなされるリスクがあります。経過措置(激変緩和措置)を設けるのが一般的です。例えば、半年〜1年は猶予期間とし、「このままだと来年からこれだけ下がりますよ」と予告することで、本人の行動変容を促す期間を作ります。

Q. 就業規則の変更は必要ですか?

はい、必須です。賃金規定の中に「人事評価の結果により、降給・降格を行うことがある」という旨を明記し、周知徹底しておく必要があります。これがないと、どれだけ低い評価をつけても給与を下げることができません。

問題社員への対応は、企業の膿を出すチャンスでもあります。
感情論で泥沼化する前に、人事評価制度という「客観的な物差し」を導入し、規律ある組織づくりを提案しましょう。

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